シャトー・ル・プリューレは、1897年から100年以上にわたりギシャール家が所有していました。サン・テミリオンの標高が高い丘陵地に位置し、石灰岩と粘土質が混じる特別なテロワールを誇ります。この丘陵地には、シャトー・トロット・ヴィエイユ、シャトー・トロロン・モンド、シャトー・パヴィ・マッカンといった名門シャトーが連なり、まさに一等地といえる場所です。
2006年には、ボルドー屈指の醸造家ステファン・ドゥルノンクールをコンサルタントに迎え、フィネスとエレガンスを重視したワイン造りを推進。シャトーの名は徐々に広まりました。2014年には、シャトー・ラトゥールのオーナーであるフランソワ・ピノー率いるアルテミス・グループが株の一部を取得し、ラトゥールのチームがワイン造りに関与。2017年には完全にアルテミスの傘下となり、さらなるクオリティの向上が進められました。その一環として、ラトゥールをメドックのトップに引き上げ、ビオディナミへ転換したアルテミスCEOフレデリック・アンジェラの右腕だったペネロープ・ゴドフロイが技術責任者に就任。2018年にはオーガニック認証を取得し、畑ではビオディナミ農法が導入されました。さらに、ペトリュスの名声を築いたジャン・クロード・ベルーエをコンサルタントに迎え、卓越した技術と経験を取り入れることで、ワインの完成度を一層高めました。
2020年、シャトー・カロン・セギュールを所有する保険グループ「スラヴニール(クレディ・ミュチュエル傘下)」が、アルテミス・グループからル・プリューレを含む3つのシャトー(シャトー・シオラック、シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ)を買収。カロン・セギュールの技術責任者、ヴァンサン・ミレがスラヴニール傘下のシャトー全体を統括し、ペネロープ・ゴドフロイが新オーナーとなりました。
こうした歴代オーナーによる継続的な投資と革新により、ワインの評価は高まる一方。デキャンター誌のジェーン・アンソンも最近のヴィンテージを絶賛し、2019年のシャトー・ル・プリューレを「素晴らしい深みと精緻さ」を持つと評価。サン・テミリオンのライジングスターとして、さらなる注目を集めています。