バンジャマンは、イギリスの著名なワイン評論家ジャンシス・ロビンソンをはじめ、ワイン業界の影響力のある人々から絶賛される非常に才能あるワイン生産者です。彼がワイン造りに関わったのは13歳の頃で、シャトー・コス・デストゥルネルでワイン醸造を学び、ドメーヌ・デュ・コント・アルマンの醸造責任者として成功を収めました。2007年からは、ドミニク・ラフォンと共同の建物で、ネゴシアンとして自身の名前を冠したワインを造り始めました。
ネゴシアンの多くがブドウだけでなく樽を購入するのに対し、彼はブドウの状態でしか原料を調達せず、醸造に使用するブドウへのこだわりが強いのが特徴です。また、自らが扱うブドウの栽培にも配慮し、畑に足を運んで栽培者と協力し、理想とする栽培方法と農薬の制限を徹底しています。畑の60%以上はリュット・レゾネで、残りはビオロジックです。さらに、ビオディナミを実践するドメーヌ(オークセイ・デュレス)からも少量のブドウを入手し、ブルゴーニュの土地が生み出す本物の味わいのブドウを厳選して使用しています。
ネゴシアンとして自社畑以外のブドウを買い付けることで、バンジャマン・ルルーはさまざまなアペラシオンで自身の名を冠したワインを生産しています。『ドメーヌやネゴシアンの区別にとらわれず、個人の名前で品質を見てほしい』という彼の思いから、ラベルには自身の名前が表示されています。アペラシオンごとに異なるアプローチを取り続ける中で、彼は各テロワールの本質を深く理解し、結果としてネゴシアンでありながらも、ドメーヌと同等、もしくはそれ以上のクオリティでワインを生み出しています。それが彼が天才と評される所以です。