シャンパーニュの最高峰に立つルイ・ロデレール
ルイ・ロデレールが世界の最高峰に立つシャンパーニュのメゾンであることは間違いありません。ドン・ペリニヨン、クリュッグ、ポル・ロジェなどのライバルは存在しますが、年産100万本近い規模で、ノンヴィンテージからプレスティージュまで高い品質を保っているのはルイ・ロデレール以外ありません。
英国のアルコール飲料専門誌「ドリンクス・インターナショナル」が選ぶ「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド2022」のトップに選ばれたのが、それを証明しています。ルイ・ロデレールは2020年以降、3年連続で首位を獲得しており、近年はトップ3圏外から外れたことがありません。
グランクリュ主体の自社畑と
天才ジャン・バティスト・レカイヨン
メゾンのすごさの秘密は2つあります。1つはシャンパーニュが格付けされる前から、グランクリュにあたる最高の畑を買い集めていたことです。240haの自社畑のうち98%がグランクリュかプルミエクリュに格付けされています。ノンヴィンテージのブリュット・プルミエを除くすべてのシャンパーニュは、自社畑のブドウでまかなわれています。
もう一つは栽培と醸造の両方を担当するシェフ・ド・カーヴ、ジャン・バティスト・レカイヨンの存在です。レカイヨンは、フランスの農業分野の最高峰に立つモンペリエのフランス国立農学学院 （ENSA）を、醸造と栽培の両部門で首席で卒業した天才です。生まれはランス。すぐに、先代のジャン・クロード・ルゾー社長にリクルートされました。
畑の半分はビオディナミで栽培し、耕作には馬も使用しています。畑の半分がビオロジックの認証を得ています。シャンパーニュは緻密な醸造技術を求められますが、素材となるブドウが優れていなければ話は始まりません。ルイ・ロデレールのすべてのシャンパーニュに共通する透明感は、ビオディナミからくるのです。
ロシア皇帝に献上した19世紀から
不変のエレガンス「クリスタル」
ルイ・ロデレールは1840年代に畑の購入を始めました。クリスタルの区画はロシアの皇帝アレクサンドル2世の特注を受けて造り始めた時から変わっていません。後にグランクリュに格付けされた、チョーク質の強い最高の畑です。
2006年からビオディナミへの転換を始め、クリスタル2008年のロゼはすべて、ビオディナミのブドウから造られました。2012年になって、クリスタルもロゼも100%ビオディナミのブドウから造られるようになりました。これによって品質がさらに上がりました。
クリスタルの魅力はチョーキーなミネラル感を伴うフィネスと、驚くほど熟成するエネルギーにあります。20年は楽に進化します。クリュッグのように熟成してからリリースするスタイルではなく、比較的早めにリリースされます。その時点でもおいしいのですが、何本か購入して寝かせるのも楽しみです。
2000年代のヴィンテージの評価
2000年代のヴィンテージの評価をまとめます。基本的に高得点ですが、2006年以降ぐっと評価が高まっています。もちろん、それ以前のものは発展して、別の世界を見せてくれます。
▼クリスタル
・2013 98点（WA） 97+点（ヴィノス）
・2012 97+点（WA） 98点（ヴィノス）
・2009 95+点（WA） 96点（ヴィノス）
・2008 98点（WA） 99点（ヴィノス）
・2007 95点（WA） 97+点（ヴィノス）
・2006 95点（WA） 97点（ヴィノス）
・2005 93点（WA） 94点（ヴィノス）
・2004 97点（WA） 97点（ヴィノス）
・2002 96点（WA） 97点（ヴィノス）
・2000 95点（WA） 92点（ヴィノス）
▼クリスタル・ロゼ
・2013 99点（WA） 98点（ヴィノス）
・2012 98点（WA） 98+点（ヴィノス）
・2009 96+点（WA） 97点（ヴィノス）
・2008 100点（WA） 99点（ヴィノス）
・2007 97点（ヴィノス）
・2006 96点（WA） 98点（ヴィノス）
・2005 93点（WA）
・2004 96点（WA） 98+点（ヴィノス）
・2002 100点（WA） 98点（ヴィノス）
・2000 95点（WA） 93点（ヴィノス）
別次元のノンドゼ
ブリュット・ナチュール
ブリュット・ナチュールは、真南を向いたキュミエールが、猛暑の2003年によく熟したのをきっかけに始めたノンドゼです。キュミエールの畑はビオロジックとビオディナミの認証を受けています。
2006年がデビュー・ヴィンテージで、2009年、2012年と3度ほどリリースされています。シルキーなテクスチャーとクリーミィな泡があり、ドザージュされていないシャンパーニュとは思えないほどです。
ブランとロゼの2種類がありますが、このブリュット・ナチュールのロゼは、トレンドに乗っかっているだけのロゼとは一味違う魅力が味わえます。
