ローヌ北部地方の8つのアペラシオンの中で、生産者の名前がそのままAOCになっている唯一のアペラシオンがシャトー・グリエです。このAOCは、ローヌで最も小さく、独特のテロワールと歴史的なブドウ畑から、他に類を見ない優れた白ワインを生み出しています。その名前は「焼け焦げた城」を意味し、急な斜面にある畑の非常に陽当たりが良く、強い日差しを受けることに由来します。
シャトー・グリエの畑は、ローヌ川沿いのコンドリューのエリア内にあり、サンミッシェル・シュール・ローヌ村とヴェリン村に広がっています。面積は約4haで、ローヌ地方で唯一のモノポール(単一所有畑)です。2011年以降、シャトー・ラトゥールやブルゴーニュのドメーヌ・デュージェニーのオーナーであるフランソワ・ピノー氏がこのワイナリーを所有し、フレデリック・アンジェラ氏が全体の管理を担当しています。
シャトー・グリエは、モンラッシェ、シャトー・デイケム、シャトー・シャロン、サヴィニエール・クーレ・ド・セランとともに、フランスの5大白ワインの一つに数えられており、栽培されているブドウ品種はヴィオニエのみ。年間の生産量は約1万本と少なく、非常に希少価値が高いことから、ソムリエでも滅多に味わうことができないことで知られています。