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「P2」は段階的熟成の2度目のプレニチュード(ピーク)を意味します。シェフドカーヴの考えでは、ヴィンテージから8年前後で1度目のプレニチュードに達し、15年前後で2度目のプレニチュード、30~40年目に3度目のプレニチュードに達するといいます。
2003年は21世紀に入って気候変動が最初に明確に表れ、プレスティージュキュヴェを出したメゾンは少なく、生産したのは、クリュッグ、クロ・デ・ゴワス、ゴッセのセレブリス・ロゼなど、ピノ・ノワールの強いメゾンでした。ドン・ペリニヨンはモエ・エ・シャンドンの約1200haの畑から優先的にブドウを使え、購入するブドウも含めて、17のグランクリュにアクセスできます。それゆえ、ブドウの調達の自由度が2003の生産も可能にしました。ブレンド比率は通常、シャルドネとピノ・ノワールが半々ですが、ピノ・ノワール比率が62%とかつてなく高いのも特徴です。2003年の8月の平均気温は平年を10度上回る28.5度。ブドウの糖度が上がり、フェノリックスがよく熟し、酸の穏やかなシャンパーニュが造られました。
2003は暑くて乾燥していた1976や1959と並ぶ長期熟成型のヴィンテージ。濃いめの黄金色、レモンコンフィ、火の入ったアプリコット、ヘーゼルナッツ、ブリオッシュ、フェノールのストラクチャーと水平的な広がりが肉感的な力強さをもたらしています。酸とフェノールがバランス良く統合されて、重層的な密度があります。ピノ・ノワールの抽出は穏やかで優しく、ヨードのタッチとほろ苦いうまみの乗った味わいに仕上がっています。その味わいは、熟成した白ワインのようでバタール・モンラッシェを連想させます。ブルゴーニュ用の大きめのグラスで、時間をかけてアロマとテクスチャーの変化を楽しみたいシャンパーニュです。
世界で最も有名なシャンパン《ドン・ペリニヨン》。メゾンは広大な自社畑を所有しており、オーヴィレール村と8つの特級畑から最良のブドウを選定しています。各ヴィンテージの個性を見極め、独自のアッサンブラージュを施すことで、優れた品質を誇るドン・ペリニヨンが絶えず生み出されています。