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P3は、ドンペリニヨンのヴィンテージにとって3度目の人生です。約30年かけてゆっくりと変化し、エネルギーを蓄積し、シャンパンのあらゆる特性が発揮され、より充実し、より長く、より深く、より強くなっていきます。
ドン・ペリニヨンには、バブリーにとらえる人もいるが、極めて真っ当なワインだ。3度目のプレニチュード(ピーク)を迎えたP3-1982を飲んで改めて思った。「プレニチュード」とは、最高醸造責任者のリシャール・ジェフロワ氏の考え方。ドン・ペリニヨンは瓶熟成中の8年前後、12~15年、30年以上の3回にわたり、頂点に達するという。P2-1998は昨年夏、オーヴィレール修道院で試飲した。今回はさらに進化していて、魅惑されたが、P3-1982の圧倒的な世界の前にかすんだ。いつも通りに還元的で、色調は淡い。貝殻、スモーク、ヨード、火打石の香り。ほろ苦く、塩っぽさが余韻ににじむ。テクスチュアはシルキーで、調和がとれていて、無限の泡が舌の上で軽やかなダンスを踊る。フレッシュで、生き生きしていて、エネルギーにあふれている。飲み手にアッと言わせるような迫力はないが、時間がたつにつれて活力が湧きあがってくる。妙な話だが、ペトリュスやロマネ・コンティに通じる球体感を感じた。偉大なワインはみなそうだ。ジェフロワ氏は「ミネラル感は畑というより、熟成から生まれる。酸化は敵だ。酸化とは老化と同じ。年をとるのはなるべく抑えなければならない」と語る。「ミスター還元」のそうした醸造と哲学から、飲みごろの窓が3回にわたって開くプレニチュードが生まれる。もっとも、酸化させて造る代表のジャック・セロスのことを聞いたら、嫌いではないと話していたのだが……。ドン・ペリニヨンの平均的なブレンド比率はシャルドネ55%、ピノ・ノワール45%。修道士のペリニヨンがシャンパーニュの基礎を築いた修道院のあるオーヴィレール村と8つのグランクリュが核を成している。モエ・エ・シャンドン社は17のグランクリュのうち14のクリュの畑を所有するが、実は買いブドウによってすべてのグランクリュをカバーしているという。だから自由度が高い。最良の畑のブドウがあればあるほど、ワイン造りの完成度は高まる。大量生産も可能になる。(山本昭彦氏 ワインレポートより抜粋)
世界で最も有名なシャンパン《ドン・ペリニヨン》。メゾンは広大な自社畑を所有しており、オーヴィレール村と8つの特級畑から最良のブドウを選定しています。各ヴィンテージの個性を見極め、独自のアッサンブラージュを施すことで、優れた品質を誇るドン・ペリニヨンが絶えず生み出されています。