シャンパーニュ地方南部のコート・デ・バール地区。ローズ・ド・ジャンヌやマリー・クルタンなど多くの新しいスターが生まれています。その中で、見逃してはならないのがジャック・ラセーニュのブラン・ド・ブランです。歴史あるトロワから西に向かう小高い丘モングーに本拠を構えています。シャブリと同じキンメリジャン土壌が広がるコート・デ・バールにあって、モングーだけはコート・デ・ブラン地区からつながるチョーク土壌が地表に隆起しています。
チョーク土壌のミネラル感とよく熟したシャルドネ
コート・デ・ブラン地区より温かく、ブドウは熟しやすいが、土壌からくるミネラル感を備えています。ラセーニュのフラッグシップ「クロ・サン・ソフィ」はシャンパーニュのモンラッシェと呼ばれています。当主のエマニュエルは、ネゴシアンにブドウを売っていた父からドメーヌを引き継いで、モングーの名を高めました。農家の8割は大手メゾンや協同組合にブドウを売っていますが、ラセーニュの4haの畑には、樹齢45-65年の古木が生き延びています。ブルゴーニュの小樽、ジュラのヴァンジョーヌを熟成させた樽、500リットルのフードルなど多彩な樽を使い、野生酵母で発酵させ、醸造中に亜硫酸は使いません。すべてのキュヴェをマロラクティック発酵させ、ア・ラ・ヴォレでデゴルジュマンします。
すべてノンドゼ モングーのテロワールを表現
どのキュヴェを飲んでも、強烈なミネラル感のドライブとシャープな酸、熟度の高さからくるエキゾチックなアロマにノックアウトされること間違いなしです。エクストラ・ブリュットの表示がされていますが、実際にはノンドゼです。ヴィーニュ・ド・モングーは9つの区画のブレンドで、ラセーニュの総合力の高さを示しています。ピュアでフレッシュ、ノンドゼとは思えないほどよく熟しています。ジャック・ラセーニュを未体験の方は、ここから始めるのをお勧めします。ル・コテは1960年代に植えた単一畑から。リンゴの蜜やパンデピスのアロマと、直線的な酸の力強さ、ミネラル感が前面に出た、モングーの個性をよく語るキュヴェです。ラ・コリーヌ・インスピレは、複数のヴィンテージをブレンドし、バリックで発酵しています。リッチでハーモニーがあり、チョーキーな味わいです。