シャンパーニュ・クランデスタンは、2015年に設立されたプロジェクトで、ヴエット・エ・ソルベのベルトラン・ゴトローと、ブルゴーニュのムルソー専門の若手ワインメーカー、ブノワ・ドゥソが共同で立ち上げました。
ブノワは、シャブリと同じキンメリジャン土壌を持ちながら、コート・デ・バール地域があまり評価されていないことを残念に思い、クランデスタンではこの未評価のテロワールを活かしたシャンパーニュを生産しています。プロジェクトの名前「クランデスタン」は「隠された」または「秘密」を意味し、この土地の独自性を示しています。
クランデスタンでは、コート・デ・バール地域産のブドウのみを使用し、品種のブレンドをせず、単一品種・単一ヴィンテージで仕込むこだわりを持っています。糖分を一切加えないノンドサージュ、さらに有機栽培のブドウだけを使用しており、そのブドウは、コート・デ・バールのキンメリジャン土壌の2層目に位置する畑に限定されています。
さらに特筆すべきは、畑の斜面の向きによってキュヴェを分けている点です。北向きの斜面に植えたピノ・ノワールからは「ボレアル」、南向きの斜面からは「オーストラル」が生まれます。同様に、シャルドネも斜面の方角によって異なるシャンパーニュが造られています。生産本数はキュヴェあたり約6000本。クランデスタンは、区画の違いを表現するブルゴーニュ的な考え方で、テロワールの魅力を最大限に引き出すために柔軟な発想で取り組む、新世代のシャンパーニュ生産者です。