ヴィルマールは、モンターニュ・ド・ランスのリリー・ラ・モンターニュに拠点を置く家族経営のレコルタン・マニピュラン。1890年にデジレ・ヴィルマールが設立し、4代目ルネ・シャンがヴィルマールのスタイルとなる樽発酵と樽熟成を確立。1989年に現当主ローラン・シャンが引き継ぎ、世界的な人気を獲得しました。
11haのプルミエ・クリュの自社畑から年間約7000ケースのみを生産しており、化学薬品を使わないビオロジック栽培と収量制限により、高い品質を実現しています。植栽比率はシャルドネ60%、ピノ・ノワール40%で、樹齢は平均35年。最古の樹齢60年のブドウはクール・ド・キュヴェとブラン・ド・ブラン用に使用されます。
そして、先に述べたように、ヴィルマールの最大の特徴は木樽発酵と木樽熟成にあります。この手法は、シャンパーニュ全土でもクリュッグやジャック・セロスといった名だたる生産者が時折採用する特別なものです。ノンヴィンテージはフードル(5000?)、ヴィンテージはバリック(225?)で熟成されます。さらに、ヴィルマールのもう一つの特徴として、マロラクティック発酵を行わない点が挙げられます。これにより、フレッシュさに加え、張りと繊細さが保たれ、アロマの個性が際立つ唯一無二のシャンパーニュに仕上がっています。その卓越した品質から「レコルタンのクリュッグ」と称され、フランス国内の多くの星付きレストランが限られた生産量を競ってオンリストしています。