アヴィーズ村はコート・デ・ブラン地区の銀座です。秀逸な栽培醸造家が3軒あります。「ジャック・セロス」「ド・スーザ」、そして「アグラパール」です。日本ではジャック・セロスの知名度が圧倒的に高いですが世界では同格に評価されるグローワーが「アグラパール・エ・フィス」(Agrapart et Fils)です。
フランスのル・ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランスでは、セロス、エグリ・ウーリエと並んで3つ星に輝いています。アンセルム・セロスがシャンパーニュ造りを革新した革命児とすれば、パスカル・アグラパールはコート・デ・ブラン地区の多様な畑を基礎に、テロワール表現の多彩なキュヴェを生産する方向に進んだ職人です。品質の高さは変わりません。生産量は10万本です。
無精ひげのパスカル・アグラパールは、畑の人です。耕作に馬を使い、ブドウの根を地中深くに伸ばすことばかり考えています。小樽と中樽で熟成させ、微妙に酸化した味わいに仕上げます。
グランクリュのアヴィーズ、オジェ、クラマン、オワリィの9.5haを中心に計12haの畑を所有し、区画は70にのぼります。平均樹齢は35年。ピーエル がマッサール・セレクションで増やした40年の樹が中心で、60年の古木もあります。自家製コンポストを早くから始め、畝間にはカバークロップをはやし、手作 業で枝の手入れをします。オーガニックとビオディナミを導入しますが、認証にこだわらず、自然のリズムに合わせて働いています。