グイヨ・クローゼルは元々はシャトー・ボールガールの一部でしたが、その後独立したシャトーとなります。所有者はクローゼル家を経て、現在はル・パン、ヴュー・シャトー・セルタンを所有するティエンポン家の所有となっています。
ティエンポン家は様々なシャトーを購入してその品質を上げていますが、グイヨ・クローゼルに関してはル・パンに隣接する砂利質の土壌で南向きの斜面にあり、高いポテンシャルを秘めていると言われています。
実際にティエンポン家所有になり各段に品質を向上させており、Wine Advocate(暫定92-94点)、Vinous(暫定90-93点)などで絶賛されています。
Vinousのアントニオ・ガッローニは2018年のグイヨ・クローゼルを試飲し、「今年(2019年)テイスティングしたポムロールの中で最も興味深いもののひとつ」と評しています。
畑は、ル・パンとシャトー・トロタノワの間に位置します。ル・パンと同じ面積であるわずか1.7ヘクタールの畑から30ha/hlという極めて少ない量を激選して全て手作業で収穫します。土壌は砂、粘土、砂利で、微量の鉄分を含んでおり、メルローに理想的な土壌です。トロタノワの名前の由来にもあるように、このあたりの土地は耕作するのがとても難しいことで知られています。平均樹齢は40年で、メルロー60%、カベルネ・フラン40%の割合で構成されています。醸造は小さなステンレスタンクで醗酵後、新樽率50%のオーク樽で18ヶ月間熟成されます。
また、生産されたワインの半分以上はセカンドラベルにしてしまう等品質に対する厳しいこだわりを持つシャトーです。それゆえにポムロールのテロワールを反映した、豊かな果実味とバランスの良いしっかりとしたタンニンとボディを持ったワインを生産することができるのです。年間生産量は500ケースほどとわずかです。その生産量の少なさと併せ持った高品質な味わいから年々入手が困難になっている非常に希少なワインです。