ペトリュス、シュヴァル・ブラン、ラ・コンセイヤントなど、ポムロール地区の数々の輝かしいシャトーに隣接しているシャトー・レヴァンジル。レヴァンジルの歴史は18世紀半ばにまで遡ります。1741年、シャトーは「CH.FAZILLEAU」という名前で設立されました。その後、何度か所有者を変えた後、1957年にルイ・デュカス氏が購入。デュカス家は当時、霜害により荒廃していた畑の再建と、レヴァンジルの名声を取り戻すことに尽力しました。 その後、1990年にラフィットを手掛けているドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルドが所有者となり、それ以来、セラーの改装などを行い、品質はますます向上しました。その高い品質から、実質的にはペトリュスやラ・フルール・ペトリュスと比較しても、 遜色がないと言われています。
ポムロールとサン・テミリオンの境界に位置する場所に約22haの畑を所有しており、メルロ75%に対しカベルネ・フラン25%を栽培しています。アッサンブラージュはヴィンテージによって変化しますが、おおむねメルロ85%に対しカベルネ・フラン25%となっています。畑は砂利を含む砂質粘土質土壌で構成されており、凝縮感溢れる果実味を備えたブドウが成熟します。
醸造はラフィットの技術責任者エリック・コレールの下、伝統的な手法でワイン造りを行っています。造られるワインは、メルロの芳醇でしなやか果実味が溢れる、フィネスに富んだスタイルに仕上がります。ポムロール地区のワインは個性的である一方、やや独特の飲みづらさが感じられるケースもありますが、その中でもレヴァンジルは飲みやすい方であり、エレガントで繊細な香りと味わいが楽しめるワインと言われています。比較的長期熟成にも耐えられるので、良いヴィンテージであれば30年寝かせることも可能です。
ポムロール地区の高級ワインは、シャトーの畑が小さいことも多いことから、少量生産の傾向にあります。その中でも、レヴァンジルは特に希少と言われており、日本に輸入される数も決して多くはありません。そのため、市場に出回る数が少なく、出会うことすら難しいワインとしても有名です。一部の評論家は今後価格が上がっていくと危惧していることもあり、ぜひ早いうちに飲んでおいた方が良いワインの1つとしておすすめです。