シャトー・オー・バイィは、グラーブ地区のペサック・レオニャン村に位置し、その歴史は17世紀にさかのぼります。1955年からはサンドル家の所有となり、1982年からは評価が急上昇しました。1998年には銀行家ロバート・G・ウィルメール氏が所有し、セラーの改修などにより品質を向上させました。最近では、ロバート・パーカー氏から高く評価され、2009年にはシャトーとして初めて100点を獲得。現在は、ロバート氏の息子クリス氏と支配人のヴェロニク・サンデルスがシャトーを運営しています。
シャトーの畑は、周囲で最も高い丘の頂に位置し、日当たりと水はけの良い絶好の立地にあります。1万本のブドウの木が植えられ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フランの品種が栽培されています。全体の15%は約100年の古樹で、フィロキセラの時代を生き延びた貴重なフランスの木です。これらの古樹から収穫されたブドウは、ほとんどが最高品質のワインに使用されています。
また、イタリア人コンサルタントのマッシモ・ギウダッチ氏を迎え、伝統的なグイヨ・プサール剪定法を用いて樹液の循環を改善しています。醸造では、最新技術の「ALIEN」と呼ばれる選果機を導入し、ブドウを撮影して未熟な粒を取り除くことで選果を徹底しています。また、瓶詰め時には濾過処理を行わず、伝統的な手法を守っています。これらの改革により、ワインの最終的な品質が向上しています。
オー・バイィでは、ワインの品質が理想的でない場合、その年のファースト・ワインを生産しないことがあります。この厳格な方針により、収穫されたブドウの半分はセカンドやサード・ワインに回されます。職人の厳しい基準で作られたワインは非常にエレガントで、ペサック・レオニャン随一と言われるほどです。長い余韻と忘れがたい濃厚さを、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。