シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンは、マルゴーを本拠地とするメドック格付け2級のシャトーです。その名前は、かつての所有者であるデュルフォール・ド・デュラス家とヴィヴァン子爵に由来しています。
19世紀中頃、このシャトーは非常に高い人気を誇り、1844年にはシャトー・マルゴーを除く他のアペラシオンのワインを上回る価格で取引されていました。1855年のメドック格付けではマルゴー2級に格付けされ、メドック全体で9位という高評価を得ています。しかし、1937年から1961年までシャトー・マルゴーに所有され、その一部として扱われていたため、「デュルフォール・ヴィヴァン」の名前で市場に登場することはなく、知名度は限られたものでした。
転機が訪れたのは1992年、現当主ゴンザーグ・リュルトンが指揮を執り始め、大きく設備投資をしたことがきっかけです。さらに、2009年には有機栽培を導入し、2013年には100%有機栽培へと転換。同年に初めてビオディナミ栽培を開始しました。この取り組みは、左岸の格付けシャトーではポンテ・カネ、クリマンスに次ぐ3例目であり、ボルドー全体でも100%ビオディナミを実践するシャトーはわずか5軒のみ。2016年にはエコセールとビオディヴァンの認証を取得するなど、持続可能な生産を追求し続けています。
所有する畑は約50haで、シャトー・マルゴーと同様、カベルネ・ソーヴィニヨン主体のブレンドを採用する独自のスタイルを確立しています。知名度が比較的低いことから他の格付けシャトーに比べて価格が抑えられているため、コストパフォーマンスの高い格付けワインとして注目されています。