シャトー・デュアール・ミロンはメドック格付け第一級シャトー・ラフィット・ロートシルトが所有しており、同じ醸造チームが手掛けていることから、ラフィットに近いエレガンスとフィネスを追求したスタイルのワインを生み出しています。
シャトーの歴史は18世紀初頭に始まり、当初はシャトー・ラフィット・ロートシルトのセカンドワインとして知られていました。1830年代には、ピエール・カステジャ氏がデュアール未亡人から14haの畑を引き継ぎ、これが後に「デュアール・ミロン」と名付けられました。1855年のメドック格付けでは第4級に選ばれ、ポイヤック唯一の4級シャトーとして高い評価を得ました。
しかし、20世紀に入ると波乱の歴史をたどります。1937年以降、所有者が転々と変わり、畑は分割され、品質が著しく低下。特に1956年の霜害による被害は深刻で、ブドウ栽培が一時停止する事態となりました。その後1962年にロスチャイルド家がシャトーを買収し、復興が本格化します。新しい醸造設備の導入や大規模な畑改良が行われ、購入時にわずか17haだった畑は、2001年までに71haにまで拡大。品質も飛躍的に向上し、1990年代以降のヴィンテージは高く評価されています。中でも2009年や2010年のヴィンテージは特に優れた出来として知られています。ラフィットと同様に流通量が少ないため、最新ヴィンテージは発売と同時に完売するほどの人気を誇るシャトーです。