ロベール シュヴィヨンは、五代に渡って続くニュイ・サン・ジョルジュのトップ・ドメーヌです。2003年にロベール氏が引退した後は、彼の二人息子であるドニ氏、ルトラン氏が運営を引き継いでいます。
20世紀初頭、ドメーヌはわずか3haに過ぎませんでしたが、都度規模を拡大し、今では約13haもの広さを所有しています。ACブルゴーニュやアリゴテも含め、他8つの1erワインのクリュもすべてニュイ・サン・ジョルジュ内に所有するという、まさしくニュイに特化したドメーヌと言えるでしょう。
シュヴィヨンが評価される理由は様々ですが、主に樹齢の高さ、テロワールへのこだわりがあげられます。平均樹齢は50~75年、レ・カイユ、ヴォークラン、レ・サン・ジョルジュは樹齢100年にもなる古樹が存在しています。単位面積当たりの収量は30~35ヘクトリットルで、古樹ゆえの自然な収量制限こそが、シュヴィヨンのワインの凝縮感の源なのです。また、「ワインの良し悪しは畑の段階で決まる」という信念のもと、モダンな醸造技術を柔軟に取り入れつつ、伝統を重んじてテロワールの個性を最大限に引き出すワイン造りを続けています。彼らは、ブドウ本来の魅力が引き出されるように、畑をきちんと管理し、よりテロワールの個性が反映されるよう、努力を惜しみません。手作業での収穫はもちろんのこと、収穫後にはブドウの実の選別を行い、ワイン造りに適した、熟したブドウのみを使用します。農法はリュット・レゾネ(減農薬栽培)を採用し、剪定を短くするなどして収量を極限まで抑えています。醸造は低温マセラシオンを5-6日間行い、その後自然発酵が行われます。1級に関しては100%除梗を行い、アルコール発酵は温度が35℃程度になるまでは自然に任せるスタイル。熟成に関しては、新樽比率が30%、18ヶ月間の樽熟成が行われています。
かつては、特級をもたないニュイ・サンジョルジュのスペシャリストでしたが、レ・サン・ジョルジュのお手本とも呼ばれるワイン造りの姿勢や情熱、特級への昇格が検討中のレ・サンジョルジュの素晴らしさが評判となり、ここ数年の間に人気は鰻上りとなっています。中でも一級畑のレ・サン・ジョルジュ、レ・ヴォークラン、レ・カイユは、ベルトラン氏が三大テロワールと呼ぶほどのドメーヌ自慢のワインで、この3つの中ではレ・カイユが一番柔らかく、ヴォークランがもっとも骨格がしっかりしている、レ・サン・ジョルジュはその中間的なバランスの取れた唯一無二の存在です。