ロベール・グロフィエはモレ・サン・ドニに畑を所有していないにもかかわらず、この地に居を構える稀有なドメーヌです。所有する畑の大部分はジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ミュジニーに広がっており、わずか5.4haしかないレ・ザムルーズの最大所有者(1.1ha)としても知られています。
グロフィエ家のワイン造りは1930年代、2代目当主ロベール・グロフィエの父ジュールが、レ・ザムルーズや特級畑ボンヌ・マールなどの優良な畑を所有し、それらをネゴシアンに販売していたのが始まりです。その後、ロベールの時代に瓶詰めを始め、息子のセルジュが後を継ぎました。2004年にはセルジュの息子ニコラがドメーヌに参加し、2007年からはニコラが経営を引き継いでいます。
ドメーヌは伝統の継承を大切にしつつも、1995年から仕立てをグイヨからコルドンに変更、2005年からは除草剤の使用を中止するなど、世代交代に伴う変革を遂げています。醸造では、35℃という高温で発酵を行うのが特徴で、これによりブドウの良い要素を引き出しており、通常はリスクが高いこの温度を見事にコントロールしています。発酵後はさらに5日ほどマセラシオンを行い、20-22℃で冷却後にプレス。新樽の比率はキュヴェごと、ヴィンテージごとに異なり、熟成後は無清澄、無濾過で瓶詰めされています。
こうして果実の本来の味わいを重視して造られたグロフィエのワインは、濃密な果実感と美しいミネラルが融合し、艶やかな高級感が魅力です。ワイン評論家で著名なクライヴ・コーツMWからは「ニュイの最も素晴らしい生産者の一人」と称賛され、ワインアドヴォケイト誌では「ACブルゴーニュからグランクリュまで、すべてのワインがそのテロワールを代表する一級品」と絶賛されています。
ニコラの参画以降、果実味がより強調され、品質がさらに向上したグロフィエは、ルーミエ、ヴォギュエ、ミュニエと並ぶ世界最高峰のトップドメーヌとして、その地位を確立しています。