マシャール・ド・グラモンは、ニュイ・サン・ジョルジュに近い小村プリセに位置する、ヴォーヌ・ロマネの銘醸ドメーヌです。ネゴシアン「デュフルール」を前身とし、1963年に初代アルノー氏が設立。現在は息子のアルバンとアレクシ兄弟が2代目を引き継いでいます。
所有するブドウ畑は23haに及び、ディジョンの南、シュノーヴからボーヌの南に位置するピュリニー・モンラッシェまで、約50キロにわたって広がっており、ショレ・レ・ボーヌ、ニュイ・サン・ジョルジュ、ポマール、サヴィニー・レ・ボーヌ、ピュリニー・モンラッシェなど、12以上のアペラシオンから多くの種類のワインを造っています。また、ラ・ターシュに格上げされた経緯をもつ、ヴォーヌ・ロマネ1級畑の「レ・ゴーディショ」を所有していることでも有名です。
グラモンの所有する畑は古木が多いことが特徴で、ピノ・ノワールらしい「繊細かつ奥深いフルーティーさ」をしっかりと表現するスタイルのワインを生み出しています。テロワールを忠実に表現したいという考えから除草剤などは極力使用せず、自然に配慮した栽培を行っており、しっかりとそれが味わいへと反映されています。
また、醸造技術は最先端といわれ、ロバート・パーカー氏も「ブルゴーニュの中で最も信頼できる作り手の一人」と絶賛するほど。ブルゴーニュワイン評論家として著名なセレナ・サトクリフ女史も、「ドメーヌがもつワイン醸造に関する経験の蓄積は大きな遺産。現在ではここのワインが、しばしばブルゴーニュワインのあるべきひとつの指標になっています。特に顕著なのは、重量感をねらうよりも果実味を重視している点です。その結果、どのワインもピノ・ノワールの愛すべき香りがアルコールに圧倒されることなくよく出ており、生み出されたワインはいずれもアペラシオンにふさわしい個性を備えており、好ましい。」とコメントしています。今後、さらに有名になると期待されるドメーヌでしょう。