ロワ家は、3代目当主のマルク・ロワの祖父が、ジュヴレ・シャンベルタンに、わずか数区画のブドウを植えてドメーヌを設立したのが始まりです。以降、4世代にわたってジュヴレ・シャンベルタン村でブドウを栽培しており、マルク・ロワから、元詰めを行っています。
2003年にはマルクの娘であるアレクサンドリーヌがドメーヌを引き継ぎ、現在では10エーカー弱にまで成長しています。アレクサンドリーヌは、ボーヌの醸造学校卒業後、オーストラリアやニュージーランド、南仏等で経験を積み、家業のドメーヌだけではなく、オレゴン州のコロンビア峡谷にあるフェルプスクリーク ヴィンヤードのワインメーカーも務めています。
彼女は、ブルゴーニュで最も輝いているライジングスターの一人であり、ニューヨークタイムズ紙の記事では、高騰するブルゴーニュにおいて安価で入手できる実力派生産者として『割安なブルゴーニュのトップ生産者12選』の一人に選ばれています。
このドメーヌは、特級畑や1級畑を所有しておらず、すべて村名クラスの畑ですが、主要な出版物や批評家から毎年のように賞賛と高得点が与えられており、レベルに達していない多くのプルミエ・クリュを凌駕する素晴らしいワインを造りだしています。
2011年には、ジュヴレ・シャンベルタンの新しい区画で「ラ・ジュスティス」を購入し、毎年この場所から単一畑のボトリングを行っています。
「クロ・プリウール」は、グラン・クリュであるマジ・シャンベルタンの下の区画からの単一畑のキュヴェです。
その中でも「キュヴェ・アレクサンドリーヌ」は、果皮と果汁の比率が高く、優れた深みと凝縮感を生み出す、濃縮果汁の小粒の実であるミルランダージュ種のブドウだけを使って造られています。このブドウは、アレックスと彼女の両親がそれぞれの区画を回って、このドメーヌの旗艦ワインのための特別なブドウだけを手摘みで収穫しています。
さらに、隣のマルサネ村にもシャルドネの小さな区画があり、彼女はクシュ村の上にある岩山の中腹の高い位置にある畑から、リッチでミネラリーなマルサネ「レ・シャン・ペルドリ」をごく少量造っています。
ブドウ栽培からワイン醸造の細部に至るまで細心の注意が払われています。恵まれた環境と素晴らしいテロワールの恩恵を受け、年間を通じて理にかなった栽培方法で厳格に管理されたブドウの木は、高品質なワインの重要ポイントである、健康で凝縮した果実を生み出します。
アレクサンドリーヌは、収量の制限と植物の健康が最も重要なポイントと考え、ブドウの木とテロワールには特に注意を払っています。これには、土壌への働きかけも含まれており、エステート内のすべてのブドウの木は(トラクターで)耕されています。
ブドウ畑では、この作業が将来の収穫の質と量を左右します。
そのため、徹底した除草を行い、続いて望ましくない新芽や節間をすべて取り除くことで、植物の通気性を良くし、病気のリスクを自然に減らすことができます。
そして、厳密な除葉を行ってもブドウの数が多いと感じた場合は、グリーンハーベストを行います。最後の仕上げは、収穫前に常に手作業で行われるブドウのプレセクションです。
収穫は、常連のチームが手作業で行い、木箱に入れてワイナリーに運び、伝統的な方法で醸造を行います。ブドウは100%除梗され、ステンレスタンクに入れられ、自然酵母の働きでアルコール発酵が始まるまで、「発酵前の醸し」を行います。
発酵期間中、足でのピジャージュ(櫂入れ)と発酵槽の下からポンプで液体を吸い上げて、上からかける(ルモンタージュ)を、ヴィンテージによって頻度を変えながら交互に行っています。
入念なブドウ栽培とワイン醸造によって、アレクサンドリーヌのワインは、非常に美しく、深みがあり、肉付きが良く、洗練されたワインに仕上がり、今や、フランス国内だけでなく、イギリス、アメリカ、シンガポール、上海、台湾など、世界各地で販売され、世界中のワイン愛好家に愛されています。