2000年、ドメーヌ・デュジャックのジェレミーとジャック親子は、果実味を重視した、より親しみやすいワインを造るために、Dujac Fils & Pere(デュジャック フィス エ ペール)というネゴシアンを立ち上げました。
ドメーヌと同じ品質基準を維持し、同じように丁寧にワイン造りを行っています。
ほぼすべてのワインは、ジェレミーとジャックが農法、収穫量、収穫日を管理している古木から収穫されたブドウを使用しています。
ワイナリーでは、ブドウを破砕し、発酵させ、フレンチオークの新樽を50%使用して熟成させ、可能な限り無濾過でボトリングします。
デュジャックのドメーヌのワインと同様に、これらのワインの本質は、それぞれのテロワールを純粋に、正確に、ありのままに表現することにあります。
これらのワインは一般的に、ドメーヌのワインよりも少し早く飲み頃を迎えます。
【ドメーヌ デュジャック】
ベルギー出身のジャック・セイスが、1967年にドメーヌを購入して自らの名前「ジャック」を付けました。 1970年初頭に最初のワインをリリースしてから間もなく、ジャック・セイスは誰もが認める象徴的な存在となりました。ぶどうから最高の風味と質感を引き出す彼の能力は、ブルゴーニュの同業者とは一線を画していました。 コート・ドールのテロワールに対するジャックの敬意は、彼のぶどう栽培の手法や革新的なワイン製造方法に今でも表れていると言えます。
ジャックは、伝統的なワイン造りで賞賛されているものと現代的な技術を融合させようと、当時は革命的と考えられていた独自の手順を開発しました。畑では、それぞれのテロワールを最大限に生かすこと、ワイナリーでは、ぶどうを保存するための革新的な方法を模索しました。
1974年にはゴ・エ・ミヨ(強い影響力を持つフランス発祥のレストランガイド)によって発見され、すぐにフランス中の高級星付きレストランのワインリストに掲載されるようになりました。また、デュジャックの所有畑が拡大するにつれ、フランスのみならず、生産量の約80%を世界18カ国に輸出するようになっていきました。
2019年、幸運にも「デュジャック」のモレ・サン・ドニにあるドメーヌを訪問する機会がありジャックの息子であるアレックスに話を聞けました。
『2001年からビオへの移行を始め2010年に認定をもらいましたが、ビオディナミ農法に固執せず、1つの手法として考えているそうです。計画的に最小限の介入を行うこの考え方により、それぞれのぶどう畑が可能な限り最高の果実を生産することができるようになりました。
収穫はすべて手摘みで8:00~17:00のあいだに行われます。セラーにおいては、タンニンの存在感がありつつも、柔らかいワイン造りを目指しています。毎日ワインをテイスティングして抽出の状態を確認しています。
現在発酵には昔からあるコンクリートタンクを使用していますが、現在のコンクリートタンクと違い、昔からあるコンクリートタンクは3層でごつく保温効果があり、また手入れが容易。
次回タンクを購入する際は、昔のコンクリートタンクはもう入手できないので、ステンレスタンクにすると思う。
最近のミレジムについては、2015年、2016年は素晴らしい年。2017年は少し落ち着いており、2018年、2019年はさらにいい年になっている』
と、アレックスはドメーヌについて話してくれました。
現在、ドメーヌはジャックから次の世代へと移行しています。
息子のジェレミーはワイン醸造とマーケティングに深く関わっており、ジェレミーの妻でU.C.デイヴィス大学で醸造学を専攻したダイアナはセラーの管理を担当し、アレックは父親の管理業務の多くを引き受けています。
新たな人材の投入が功を奏し、この注目すべきドメーヌは、ブルゴーニュ最良の生産者の1つとして地位を維持し続けています。