シルヴァン・パタイユは、ブルゴーニュのマルサネに拠点を置く生産者です。ボーヌとボルドーの醸造学校を卒業後、地元ブルゴーニュで醸造コンサルタントとして名を馳せていたシルヴァンは、1999年に祖父からわずか1haの古い畑(マルサネ・ルージュ・ラ・モンターニュ)を引き継ぎ、2001年にドメーヌ・シルヴァン・パタイユを設立しました。現在、契約畑を含めて15haを耕作し、地元でも彼の技術は高く評価されています。かつては10~15社の醸造コンサルティングを手掛けていましたが、最近ではその業務を辞めて、ドメーヌの運営に専念しています。
ドメーヌでは、主にピノ・ノワールとアリゴテを栽培し、ワイン造りは自然に忠実でシンプルな方法を心がけています。設立当初から手作業による草刈りなどを行い、環境への配慮と土壌の健康を大切にしてきました。2007年からは有機栽培を実施し、2008年からはビオディナミの試験も行っています。発酵には野生酵母を用い、清澄をせずに軽く濾過して瓶詰めしています。新樽の使用はヴィンテージや畑に応じて選択しますが、基本的にはテロワールの個性とブドウ本来の果実味を尊重しています。その結果、彼のワインは派手で濃縮されたスタイルとは一線を画し、バランスが取れた美しい果実味の繊細な味わいが特徴です。
シルヴァン・パタイユは、真のテロワールを表現するために熱心に醸造を学び、多くのドメーヌの手法や醸造哲学を研究しつつ、柔軟に実験と試作を重ねています。その努力が評価され、ワイン界のミシュランガイドとも称される「ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2024年」で1つ星生産者に選ばれています。