シャルル・ノエラは、かつてアンリ・ジャイエと並び称された名門ドメーヌでした。しかし、1980年代に売却され、現在は存在しません。その畑はルロワやジャン・ジャック・コンフュロンなどの名門生産者に引き継がれました。また、ブランド名は、シャルル・ノエラ当主の甥にあたる、ネゴシアンのセリエ・デ・ウルシュリーヌ当主が譲り受けました。
現在、セリエ・デ・ウルシュリーヌでは「シャルル・ノエラ」の商標を活用し、ネゴシアンとしてワインを生産・販売しています。同社は契約する優良な生産者からブドウやワインを買い付けていますが、単なる仕入れにとどまらず、栽培過程にも厳格な基準を設けています。具体的には、リュット・レゾネ(減農薬農法)を取り入れた栽培や、グリーンハーヴェスト(摘果)および収量制限を実施することを生産者に求めています。また、手摘みで収穫されたブドウの中からさらに選別を行い、最上質のものだけを買い付けています。こうしたこだわりは、ワインの純粋さと品質に明確に表れています。
醸造は伝統的な手法で丁寧に行い、熟成にはアリエ産のミディアムトーストの樽を使用。新樽の使用率は15~35%に抑えています。完成したワインは、ボーヌ郊外のブリニー・レ・ボーヌ村にある醸造所で瓶詰めされ、自社のラベルを貼って市場に出荷されます。
セリエ・デ・ウルシュリーヌは1970年代、元クルティエ(生産者とネゴシアンの仲介業者)であるドミニク・ラヴォー氏によって設立されました。同社のモットーは「親しみやすいスタイルで、多くの人に愛されるブルゴーニュワインを提供すること」です。設立者が持つ広範なネットワークを活かし、蔵元に眠るオールドヴィンテージのボトルを買い付けるなど、独自の仕入れにも特徴があります。この膨大なストックと品質の高さはブルゴーニュ地方で特に有名で、ルイ・ラトゥール、ジョゼフ・ドルーアン、アルベール・ビショーといった一流ネゴシアンも同社からワインを購入するほど信頼を得ています。