1850年頃に設立されたドメーヌで、ウィリアム・フェーブル氏が相続し現在の社名となりました。フェーブル氏は積極的に畑を買い増し、所有面積は約78ha、うちグラン・クリュは15.2ha、プルミエ・クリュは15.9haを占め、シャブリ最大のグラン・クリュを所有するドメーヌとなりました。また、シャブリ全体の地位を守るための活動にも尽力したことでも知られています。
1998年、後継者がいなかったフェーブル氏は、ブルゴーニュの名門ドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィスの改革を成功させたジョゼフ・アンリオ氏にドメーヌを託しました。アンリオ氏はドメーヌの優れた畑のポテンシャルを最大限に引き出すため多くの改革を実施し、その一環として当時31歳だった若手醸造家ディディエ・セギエ氏を起用。セギエ氏は畑のポテンシャルを引き出すために様々な取り組みを行いました。現在では、ビオロジック(一部ビオディナミ)農法を導入し、自然環境に配慮した栽培を行っており、2014年には環境保護のトップレベルである「農法レベル3」の認証を取得しています。
現在、ウィリアム・フェーヴルはシャブリにある7つの特級畑のうち5つを所有している唯一のドメーヌです。一級畑の厳選された区画と、ACシャブリの畑においても伝統的な区画をメインに所有しており、それらの所有する畑を80区画に分け、収穫日や醸造方法、熟成まで個別に管理するといった徹底したこだわりを持ってワイン造りを行っています。契約栽培のブドウからなるシャブリACワインに関しても、出来上がったワインを購入するのではなく、契約農家からのみブドウの果実または果汁を購入し、醸造も自ら行っているほどです。
ラヴノーやドーヴィサの3ツ星生産者は、木樽を用いて個性的で素晴らしいワインを生み出しますが、ウィリアム・フェーヴルは新樽を使わずにシャブリの持つフレッシュさとミネラル感を大切にしています。この手法により、シャブリの真髄とも言えるクリーンでフレッシュなワインが生み出されています。