一貫性のある男性的な味わい
1990年に出版された、米国の評論家マット・クレイマーの「ブルゴーニュワインがわかる」に、DRCの共同経営者だったラルー・ビーズ・ルロワの興味深いコメントが載っています。
「20年かかってようやく、ロマネ・コンティが最も偉大なブドウ畑であるわけがわかりました。そうなる前は、ラ・ターシュに惚れ込んでましてね」
世界の頂点に立つDRCとドメーヌルロワを手掛けてきた稀代の造り手マダム・ルロワをして、ロマネ・コンティをしのぐと思わせたことがあるラ・ターシュの魅力とはどこにあるのでしょうか?
専門家の間で一致しているのは、品質の安定性です。ロマネ・コンティほど、ヴィンテージの影響を受けにくいのです。ラ・ターシュの畑は、ヴォーヌ・ロマネのグランクリュの最上部から最下部まで6.06ヘクタールに広がっています。標高にして250から300メートル。上部と下部では気温も土壌も異なりますが、逆にどのような年でも、一貫したスタイルと品質に仕上げやすい。
岩盤はプレモー石灰岩か白い魚卵岩からなり、表土の厚さは上部と下部で異なります。1985年に斜面の中腹に溜池を造り、あふれた水はコンクリートの溝を通ってふもとに流れます。土壌自体も水はけに優れています。
19世紀から20世紀初頭にかけての所有者はラ・ロマネで知られるリジェ・ベレール家です。不況と相続トラブルで売りに出され、エドモン・ド・ヴィレーヌとジャック・シャンボンが購入し、ドメーヌが所有していたレ・ゴーディショと統合しました。1933年から、ラ・ターシュと名乗れるようになり、モノポールとなりました。
世界中の評論家が称賛
ロマネ・コンティ以上に、長期熟成型で、濃密なストラクチャーを有し、リコリスや東洋のスパイスの香りがする男性的な味わいです。バランスの良さはいうまでもありません。
世界中の評論家が賛辞を送っています。ワイン・スペクテイターのパー・ヘンリック・マンソンは、1945、1947、1949に100点を与えました。イギリスのデキャンター・マガジンが2004年に掲載した「死ぬまでに飲みたいワイン100本」に、ラ・ターシュは1990、1978、1966の3ヴィンテージが選ばれています。
- 生産者
- ドメーヌ ド ラ ロマネ コンティ
DRC - ワイン名
- ラ ターシュ
La Tache - ヴィンテージ
- 1989
- 容量
- 750ml
- 解説
- パーカーポイント: 89点
予想される飲み頃:2017 - 2027
I have never been a fan of the domaine's 1989s, and the 1989 La Tâche Grand Cru is no exception. Now showing some bricking on the rim, it has a rather herbaceous and earthy nose, a little muddled compared to superior vintages such as 1991. There is a subtle ferrous note, later a slight vegetal scent. The palate is rustic with furry tannin, moderate acidity and weight but clearly missing the finesse and the sophistication that you normally find on a La Tâche. It sort of "stumbles" over the finish line. It's not a bad Burgundy for the vintage, but it is not a great La Tâche. Tasted June 2017.
(232, The Wine Advocate, 1st Sep 2017)