シャトー・モン・ペラは、1864年のガイドブックに記載されるほど古い歴史があるシャトーで、1998年に現当主ティボーと父ジャン・ルイ・デスパーニュが購入し、デスパーニュ家の所有となりました。その後、250年に渡るワインビジネスの経験を持つデスパーニュ家によって、高品質なワインを生み出すシャトーとして注目されるようになりました。
シャトーが位置するアントル・ドゥー・メールは「海の間」を意味し、川に挟まれた中洲のエリア。ここは小石や砂利が混じる複雑な土壌が特徴で、ボルドーでも広大なブドウ栽培地を持つ肥沃な土地です。周囲には4つの小高い丘があり、これらの丘がテロワールに豊かな個性を加えています。
2010年からは耕作面積の4分の1でビオディナミ農法を導入し、その他の部分でも減農薬農法を採用。ブドウが青いうちに間引きするグリーン・ハーヴェストを行う他、雑草を意図的に残して水分量を調整するなど、濃厚で高品質なブドウを育てています。このことからも、格付けシャトー並みの低収量になっていますが、ティボー氏の高品質なワインへの情熱が感じられます。
さらに、天才醸造家ミシェル・ロラン氏の指導の下、シャトー・モン・ペラはブドウ栽培の改善や醸造設備の革新を行い、優れたワインを生み出しています。数々のコンクールで金賞を受賞し、専門誌では「シャトー・ラフィット・ロスチャイルド」や「シャトー・マルゴー」を上回る高得点を獲得することも。ロバート・パーカー氏は「まだ知られていない最高のボルドーワイン」と評価し、ジャンシス・ロビンソン氏は「品質と繊細さは他のすべてのワインを圧倒している」と絶賛しています。
日本では漫画『神の雫』に登場したことで一躍人気となり、一時は入手困難な状態に。デスパーニュ家の優れたワインビジネスとミシェル・ロラン氏の卓越したコンサルティングによって生まれるこのワインは、高いコスト・パフォーマンスを誇り、毎ヴィンテージごとにファンを増やし続けています。