サロンやクリュッグと並び称され、ブラン・ド・ブランの三傑と称された伝説のシャンパーニュ、「アラン・ロベール」。現在、この貴重なシャンパンは製造されておらず、当主のロベール氏は1990年のヴィンテージを最後に引退し、畑は売却されました。現在では在庫が市場に供給されるのみです。

アラン・ロベールのシャンパーニュは、コート・デ・ブラン地区のグラン・クリュ、ル・シュール・オジェ村で、シャルドネのみから造られています。

ロベール氏は、この特別なテロワールから生まれるシャンパーニュが、若い段階では強い酸味を持ち、その壮大なミネラルを開花させるには時間がかかることを理解していました。彼は、「必要な時間をかけて熟成させ、注文を受けてからデゴルジュマンし、ゆっくりと落ち着かせてから出荷します。伝統を重んじ、昔ながらの手法を守っています」と述べています。

ぶどうの栽培も丁寧で、完熟したものだけを選別します。収穫作業も非常に入念に行われ、通常1週間で終わる収穫には15日もかかります。ぶどうの完熟度が高いため、シャンパーニュ地方では珍しく、糖分添加(シャプリタリザシオン)は行われません。また、新樽もそのままでは使用せず、仕込みに使う前に非発泡ワインでタンニンを除去した後に使用されます。

仕上がったワインは、コート・デ・ブランのシャルドネらしいミネラルな風味を持ち、樽での発酵による柔らかさと深みがあります。

現在市場に残っている数量は不明ですが、見つけたらできる限り購入すべき貴重なシャンパーニュと言えます。

Alain Robert Le Mesnil Tradition シャルドネ100%

「トラディション」と呼ばれるアラン・ロベールのトップキュヴェは、非常に優れたヴィンテージ(’79、’85、’86、’90)のみが生産されています。このキュヴェでは、最も古い平均樹齢が40年を超えるシャルドネから、収穫時に厳選されたぶどうの初搾りのみを使用し、205リットルの樽で発酵させます。ボランジェと同様に、熟成させる際には王冠ではなく、酸化を防ぐためコルクで瓶を栓します。