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アンリ・ジャイエと並ぶ神話的ワイン「ジャッキー トルショー」新入荷
ブルゴーニュには歴史の波間に沈んだ神話的ドメーヌがいくつかあります。モレ・サン・ドニのジャッキー・トルショー・マルタンもその一つです。これほどまでに素晴らしいワインを長年造り続けてきた生産者でありながら、ここまでその存在を知られていなかったドメーヌは珍しい。まさに「知られざる偉大なドメーヌ」です。
トルショーは1961年にアルジェリア戦争から帰還して、子どものいなかったいとこのアンリ・モフレイの下で働き始めました。1970年代に主体的な立場となり、1978年にモフレイが亡くなったのを受けて、1980年にドメーヌを公式に継承しました。1990年からネゴシアンへの売却を止めています。
古木のクロ・ド・ラ・ロッシュとシャルム・シャンベルタンがここを代表するワイン。評論家クライヴ・コーツによると、それぞれ0.45ha、0.65haの小区画。シャルム・シャンベルタンは1921年に植えました。モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュのクロ・ソルベ、レ・リュショット、ブランシャール、シャンボル・ミュジニー・プルミエ・クリュのサンティエなどが代表的な畑で、ジュブレ・シャンベルタンも所有していました。
彼の手掛けるワインは長期熟成向きで、野性味と奥行きのある美しい味わいは、まるでピノ・ノワールについて書かれた古典文学のような、時間を経て語り継がれるべき普遍的な魅力があるのです。
2005年ヴィンテージを最後に引退、所有していた畑は全てパリの実業家、フランソワ・フィエに売却しました。畑はダヴィド・デュヴァンがメタヤージュし、自分のドメーヌとフェエのためにワインを仕込んでいます。引退後、コレクターの争奪戦が始まると価格は急騰し皮肉な事に謙虚で控えめなジャッキー・トルショーは40年近く美しいワインを造っていた事よりも引退によって注目を集めさらに手が届きにくい存在となってしまいました。